環境省は5月17日、ホウ素、フッ素などに係る排水基準の一部を改正する省令を公布した。7月1日に施行する。温泉旅館におけるホウ素、フッ素の排水に関しては、一般基準より規制が緩やかな暫定基準が適用されているが、事業者が導入可能な安価な排水処理装置が普及するまでの「当分の間」、現行の暫定基準を維持することを定めた。これまでのような3年ごとの期限を区切った見直しは当面行わない。
ホウ素、フッ素などを含む排水規制は2001年7月、水質汚濁防止法に基づく基準値を設定した際に強化されたが、基準への対応がすぐには難しい温泉旅館については、3年の期限を設けて暫定排水基準が適用された。その後、温泉旅館などには暫定措置の延長が繰り返されていた。
今年3月に開かれた環境省の審議会では、温泉旅館の排水中のホウ素・フッ素濃度を一般排水基準まで低減させる処理技術について、「現時点で導入可能な技術の見通しが立っていない」として、「温泉旅館業者が取り得る排水濃度の低減対策が限られる中、3年ごとに暫定排水基準を見直すことの効果は限定的」と指摘し、「当分の間」は現行通りが適当と判断された。
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